この映画について

「現代版のシャーロック・ホームズ？いいわよ」（日暮雅通　訳）。BBCウェールズのドラマ部門にいたジュリー・ガードナーのその一言で、SHERLOCKの制作はあっさり決まった。（p32コラム「ドラマSHERLOCKシリーズについて」より）新シリーズの放送が発表されるたび世界を歓喜の渦に巻き込んできたドラマSHERLOCK。本作は、ドラマシーズン4エピソード0と位置付けられていて、シーズン3までの総括でもあり、シーズン4への期待を決定的なモノにしたスピンオフ映画です。シャーロックの目の前で自分の頭を拳銃で撃ちぬいたモリアーティは、本当は生きていたのか？真実を求め、シャーロックは自らの精神の宮殿＜マインド・パレス＞へと深く深く潜っていきます。

ヴィクトリア朝について

この映画を理解するうえで欠かせないのが時代背景知識です。コナン・ドイルのホームズが活躍したヴィクトリア朝とはどんな時代だったのか。「世界の工場」へと発展し、人口が急激に増加した「霧」のロンドンは、「光」と「闇」が混じり合う世界だった－。このコラムでは、特に当時の女性が置かれていた立場に焦点をあて、この映画の「花嫁」たちがなぜあのような行動に出たのかを明らかにします。

 

この映画のキャスト＆スタッフ

今や誰もがその名を知るベネディクト・カンバーバッチとマーティン・フリーマンによるダブル主演作品。彼らを一躍有名にしたドラマがこのSHERLOCKです。カンバーバッチに顔が似ているという理由で兄マイクロフトに抜擢されたマーク・ゲイティスは全シリーズにおいて、脚本家としても欠かせない存在になっています。

この映画の英語について

主要な登場人物は、はっきりと明瞭な発音ですが、主人公シャーロックに関しては長セリフが多いうえ、とても早口であるため、リスニング強化に最適の映画です。本書でセリフを確認しながら繰り返し聞くことをおすすめします。また、現代と昔ながらのイギリス英語に対する知識を増やし、理解を深めることができます。アーサー・コナン・ドイルによる原作へのオマージュが随所に散らばめられており、シャーロック・ホームズ作品には欠かせない名セリフも数多く使われています。

リスニング難易度表と目次

スクリーンプレイ編集部が独自に採点したこの映画の「リスニング難易度」評価一覧表です。リスニングのポイントを９つの評価項目に分け、通常北米で使われている会話を基準として、それぞれの項目を５段階で採点。また、その合計点により、映画全体のリスニング難易度を初級・中級・上級・最上級の４段階で評価しました。結果、この映画は総合29点。レベル上級の教材です。

日英見開きページの編集

スクリーンプレイ・シリーズは左に英文、右に日本文の見開きページでバイリンガルの編集です。ト書きもセリフも完全な対象レイアウトですからとてもわかりやすい。左ページの右欄には英単語や文法など英語・語彙にかかわる説明が、右ページの右欄には登場した固有名詞やストーリーの背景、歴史、セリフの意味するところなど色々な方面からの詳しい解説を編集しています。

コラムと著者関係者

この書籍には、冒頭カラーで印刷された「この映画について」などの定番テーマを含む8のコラムが収録されています。以下に紹介したのはそのひとつ「この映画から覚えておきたいセリフ ベスト10」と題するコラムです。実際には右ページにもコラムは続きますが、ここでは割愛しています。その他、本書の製作に関わった人々はすべて奥付に紹介しています。また、本書には外国著作権者がいますのでその著作権表示もあります。